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UMB、戦極、フリースタイルダンジョン、高校生ラップ選手権etc...空前の「MCバトル」ブームとその理由を分析。

君は知ってるかい?MCバトルが大流行していることを。

どうも。たろうくん(@handmadetarokun)です。

僕は高校生の頃ヒップホップという音楽にハマり、しまいには自分でラップするようにもなりました(恥ずかしながら!!)。

 

僕もラッパーです!!!!!

 

でも、ラッパーってそんなに珍しくないんです。 

そう、いま若い子たちの間では、空前のラップブームなのです!!!

 

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ファンタのCMもラップ!!

ファンタという中高生専用の飲み物がそのCMにラップを取り入れたんですよ!?

いかにヒップホップが若者に浸透しているかが伺えますね。

 

今回はなぜ若者の間でラップが流行しているのか。ブームの火付け役となった「MCバトル」を中心に分析したいと思います。これを分析することで、アンダーグラウンドな文化が世に出てくる為のヒントを見いだせると思うので、意義のある分析であることを強調しておきましょう!趣味ではないです!学術的アプローチです!!!

 

 

もくじ 

 

 

 

 

ブームの火をつけたMCバトル

空前のヒップホップブームの火をつけたのが、MCバトルです。

MCバトルとは、ラッパー同士がフリースタイルラップ(即興でラップをすること)でお互いをディスり合い、ラップスキルの上手さを競う戦いです。

 

そんなMCバトルが見れる番組・イベントをいくつかご紹介いたします。

 

『フリースタイルダンジョン』

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浅野忠信氏、中村獅童氏もハマってる・・・!!!

 

毎週火曜日の深夜にテレビ朝日で放送されています。毎週いろんなラッパーが出てきて、MCバトルをしています。

 

 

『高校生ラップ選手権』

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ヒップホップの甲子園のような大会もあります。BSスカパーで放送されており、もう大人気大人気。これがきっかけでヒップホップに興味を持ったという方も多いと思います。

 

『UMB』

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年末に開催される国内最大級のMCバトル大会です。こちらもいつも満員御礼です。

 

 

戦極MC Battle』

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この大会も超人気です。(さっきから人気ですとしか言ってねぇ…)

 

 

 

とにかく!見てください!きっとその熱気が伝わります!

 

 

なぜMCバトルが流行しているのか?を分析してみた。

さて、なぜMCバトルが流行しているのでしょう。

そもそもヒップホップはかなり敷居が高いはずです。専門用語やヒップホップ的な思想を理解することで始めてリスナーとして一人前になれるのですから。

文化系のためのヒップホップ入門 (いりぐちアルテス002)

文化系のためのヒップホップ入門 (いりぐちアルテス002)

 

ヒップホップの聞き方を説明した本まで出版されています。とにかく一見さんお断りな文化なのです。しかもヒップホップの中にいる人たちは、わかりやすい音楽や一般受けしそうな音楽を「フェイク=偽物」だの「セルアウト=売れ線狙いのくそ野郎」とディスの対象にするのです。作り手もヒップホップと大衆文化を差別化したいんです。あくまでもヒップホップ的思想にのっとって、より多くの人に聞いてもらうというのがヒップホップ界の長年の課題でした。極めて閉鎖的な文化空間のくせに!どうしてその課題を解決できることができたのでしょう?

 

 

①単純に大道芸としてのレベルが上がった

ヒップホップは一見さんお断り要素がたくさんあります。専門用語やヒップホップ的思想、なにより聞き慣れていないと何言ってるかわかりません!しかし、フリースタイルラップは、言ってる内容はわからなくても、即興でラップしているわけですから、それだけで「凄い!」ってなります。大道芸、びっくり人間的面白さをMCバトルやフリースタイルラップで味わえるのです。以前からフリースタイルラップは存在したのですが、今、そのレベルがめちゃくちゃ上がりました。

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 これも即興で考えてる・・・!すごすぎ・・・・!!

 

ただただ「すごい!」という、常人離れした大道芸的な見方でラップを楽しめるようになり、即興ラップが「芸」のレベルに達しました。これは一重にラッパーさんたちの努力の結果だと思います。そして、複数のラッパーがバトルという形で自分の「芸」競い合うMCバトルは、まさに「芸」と「芸」のセッションであります。「すごい!」×2になるので、より面白いです!!

 

フリースタイルが「芸」になることで、より一般の人にわかりやすく受け入れられるようになりました。これがMCバトルが流行しているひとつの理由だと思います。

 

 

 

②参加・体験のプラットフォームが整備された

音楽業界でCDが売れないと言われてから久しいですね。しかし、ライブや音楽フェスのチケット売れ行きは好調です。インターネットが登場して以降、CDなどのコピーできる情報の価値は下がってきていますが、その反面、自分が実感するたった一回しかないリアルなコンテンツとしてのライブ・フェスが相対的に価値が上がっているのです。データをただ見ているだけ、ただ聞いているだけのコンテンツは廃れ、人々が主体的に参加して体験できるコンテンツが求められているのです。

 

その点、MCバトルは、まさに参加し、体験できるコンテンツであります。というのも、多くのMCバトルは観客ありきの仕組みになっており、対決するどちらのラッパーが優れていたかを判断するのはそこにいる観客なのです!観客はジャッジマンとして自分の判断をくださなければなりません。これ以上ない参加性です!自分の意見が勝敗を決め、その後の進行に影響を与える・・・これ以上ない見事なコンテンツです。

 

そうしたコンテンツを楽しめる”イマドキ”のプラットフォームが整備されたからこそ、MCバトルは流行したのだと思います。

 

プラットフォームを整備した運営側にも様々な歴史があり、いまだにいろいろ揉めてる部分がありますが、それも含めてヒップホップ面白いです。参考までに。

miyearnzzlabo.com

 

 

 

 

③「リアル」な音楽

これまで「大道芸的な面白さ」「イベントの面白さ」と、入り口の入り易さについて述べました。そして、入った後には何があるのか。実はそこにMCバトルが流行している3つ目の理由があります。

 

ステージに立つ2人は互いに睨み合い、ビートが流れ出すと相手を散々にこき下ろし、相手もそれに対し返答する。その形相たるや、みな鬼のようなツラをしている。普通に怖い。ラッパー達は音楽で飯を食う為に、ヒップホップ界で名を馳せるために、目の前の勝負に必死で食らいつくのである。

 

「こちとら、家族、嫁、子ども全て背負ってるんじゃ!!!!」

 

とか言っちゃうわけですよ。彼らは人生をかけてマイクを握っているわけです。それもそのはず、ヒップホップで重要な要素は「リアル」なのです。自分の人生をラップにし、身の回りの現実を表現する。

 

映画『ストレイト・アウタ・コンプトン』は、劣悪な環境で育った若者がラップで自己実現することに成功する物語です。

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彼らは自分たちが被害にあった人種差別や、警官への怒りなどをラップにして、音楽の力を借りて、環境を変えることに成功したのです。

 

ヒップホップにはこうした「リアルな現実を表現する」という思想が根底に存在します。なので、MCバトルではみんな「レペゼン◯◯」とか言ってます。レペゼンはrepresentの略で、◯◯の部分に自分の所属する団体や地名を入れます。僕ならレペゼン滋賀県ですね。自分のリアルを表現するツールとしてレペゼンなどの用語があるわけです。

 

MCバトルは、2人のリアルがぶつかるんですね。「お前が東京背負ってる?俺も大阪背負ってるわ!!!」など、それぞれに事情の違った人が、価値観をぶつけ合わせるのです。しかも、UMBは47都道府県ほぼ網羅しているので、47人の価値観とリアルがあるわけですね。そりゃ大変ですわ。

 

過去に、フィクションの力が失われているという記事を書きました。インターネットの登場によって、面白いリアルにたどり着くコストが下がったため、フィクションの力が失われたという記事です。

createmovie.hateblo.jp

ヒップホップは「リアル」な表現を行い、MCバトルは「リアル」をぶつけ合います。モザイクは一切なしです!無修正エンターテインメントです!!!!

 

こんな音楽は他にないですね。強いて言うなら、乃木坂46の「制服のマネキン」はかなりヒップホップ的でした。自分たちのことを歌いメッセージを伝える「リアル」な音楽だったからです。

 

MCバトルにフィクションの要素はあまりありません。「リアル」な表現のぶつかり合いです。これがフィクション嫌いの現代人にマッチしているのではないでしょうか?

 

 

 

 

まとめ

以上がMCバトルが流行している僕なりの分析です。

ですが、以前も言ったように、ラッパーのリアルを次から次へと消費する我々は、その残酷さを自覚するべきであると思います。自分の人生を切り売りして、飽きられたらポイ。ラッパーからすると残酷な世界すぎます。なので、息子がラッパーになるとか言ったら、よほどの才能がない限り、全力で止めたほうが良いと思います。